技術と設備、二つの時間
長く使う設備に
新しい技術をどう取り込むか。
ソフトウェアやサービスは、短期間で機能の改善を重ねていきます。生産設備は長く使う一方、変更のたびに安全、品質、応答時間や既存機器との整合を確かめる必要があります。
設備と制御ソフト、データ、業務システムが一体になっていると、新しい機能を使うための変更が大がかりになりがちです。
長く使う設備を活かしながら、機能を更新できる。IT Factoryは、そのための仕組みを考えます。
典型的な寿命の目安
IT
3 - 5年
OT
10 - 15年以上
高度人材不足の、その先へ
足りないのは
工場を変え続ける構造。
制御設計、システム接続、データ整備、セキュリティ、更新の検証。
工場を改善するには、生産の仕組みとデジタル技術を理解し、実際に動く形へまとめる力が必要です。
設備や工場ごとに仕様や管理方法が違うと、同じような接続や設定、文書の確認を何度もやり直すことになります。
高度な人材を確保・育成することは重要ですが、その人材にしかできない仕事へ力を集中できる構造が必要です。
いままで
工場ごとに同じ改善をくり返す
IT Factory
共通部分の改善を再利用する
IT Factoryの仕組み
つくる、つなぐ、保つ、改善する。
その共通部分を仕組みにする。
IT Factoryは、機器ごとに閉じていた制御・ソフトウェア・データを、共通の仕組みで扱うことを目指します。
設備や現場の条件に合わせた制御を維持しながら、共通化できる機能は部品として再利用し、基盤の運用や更新はサービスで支える。その組み合わせで、個別対応の繰り返しを減らしていきます。
検討の流れ
Flow
機能と機器の結びつきを整理する
制御や業務機能をソフトウェアとして扱い、機器を替えるたびにすべてを書き直す負担を減らします。適用できる範囲から、機能の更新と設備の更新を分けます。
01
データと設計情報の意味を揃える
設備、部品、工程、図面、プログラム、変更履歴を関連づけます。名前や形式の読み替え、情報探しにかかる仕事を減らし、設計から保守まで使える情報にします。
02
検証した仕組みを再利用する
制御部品、標準セル、作業手順、検証モデルを蓄積します。次のラインや別の工場では、共通部分を活かし、異なる条件に専門家の判断を集中します。
03
維持・更新をサービスとして支える
クラウドを活用し、共通のソフトウェアやデータ基盤の管理、更新、監視を継続的に担います。各工場で同じ基盤業務を個別に抱える負担を減らします。
04
生産性をシステムの一生で考える
生産性は、機械が動いている時間だけでは決まらない。
設備を選び、設計し、立ち上げる。稼働後も、故障に対応し、更新し、品種を替え、別の工場へ展開する。生産を支える仕事には、システムの外側にも多くの時間と専門性が使われています。
IT Factoryが目指すのは、必要な品質と生産量を確保しながら、この前後の負担を減らすことです。
改善に使える時間が増え、次の変更に取り組みやすくなる。
工場の生産性は、システムの一生を通して考えるべきものなのです。
IT FactoryのKPI
Metrics
立ち上げまでの期間
変更時の設計・検証工数
保守時の情報探索時間
他ラインへの展開工数
世界の製造技術が向かう先
再利用と継続的な進化へ。
ここ数年のハノーバーメッセを通して見ると、機器をつなぎ、データを標準化する取り組みから、制御機能を機器から切り離し、設計・検証・運用をつなぐ取り組みへと、議論の範囲が広がっていることがわかります。
注目したいのは、一度つくった知識や仕組みを、次の設計、次の工場でも活かせる基盤です。IT Factoryは、この方向性を日本の製造現場の課題に結びつけて考えます。
つながる
機器間・企業間で情報を使えるようにする。データの形式と意味を揃える標準化が、その基盤になります。
更新できる
制御機能と機器の結びつきを整理し、ソフトウェアで機能や構成を変えやすくします。
再利用する
設計・検証・運用をつなぎ、情報と知識を次の仕事へ。工場ごとの作り直しを減らします。
HANNOVER MESSE 2026でのIT Factoryの動向
ダッソー・システムズ
Virtual Twin Experiencesを軸に、AI、Virtual Twin、Virtual Companions(Aura、Leo、Marieアシスタント)により、スマートで安全・俊敏・効率的な工場を実現する方向を示しました。
特に、工場・ロボット・工程・物流を現実投入前に仮想空間で検証する思想は、上流構想・投資判断・工程設計において重要です。
シュナイダー・エレクトリック
Schneider Electricは、Microsoft Azure AIと連携し、Software-defined automationをコンセプトとして、制御設計、シミュレーション、デプロイ、運用最適化をつなぐ方向を示した。これは、制御ロジックをハードウェア依存から切り離し、ソフトウェア定義型の制御資産として扱う動きである。
フェニックス・コンタクト
AIそのものよりも、AIやデジタル化を現場で成立させるための電源、通信、安全、接続、制御盤、PLCnext、Smart Servicesを前面に出していました。
Power Reliability、safe automation、efficient control cabinet building、integrated connection technologyを重点テーマとして示しており、AI-readyなOT実装基盤としての位置づけが明確です。
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ニュース
2026年11月9日号
【ニュースのまとめ】今週は、AIを単体の認識機能として置く段階から、設計、制御、検査、搬送、保守を一つの業務として動かす段階への移行が鮮明になりました。Bosch Rexrothは自然言語とスケッチから軸構成やPLCプログラムを作るAgent iXiを示しました。ジェイテクトは既存設備にAI用PCを...
ホワイトペーパー
機能を機器から解放しよう
設備が替わっても設計を受け継ぐSoftware-defined Automation「検査を一つ増やしてほしい」。それだけの依頼が、複数のPLCのプログラムや通信設定を読み解く仕事へ広がることがあります。コントローラーが生産終了になったときも、検査の働きは変わらないのに、設計まで広く手直しする。設備...
用語集
AI・判断・検証・統制
製造現場でAIを使うときの判断、検証、実行、統制に関する用語をまとめます。AIの種類だけでなく、デジタルツインやシミュレーション、人の承認を含め、現場で安全に活用するための関係を確認できます。このページには8語を掲載しています。掲載用語Industrial AI(産業AI)AIエージェントPhysi...
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